魂の物語

私の魂の物語、遥かなる記憶と今ここにある奇跡

sakura

魂の風景画

第一章 はじまりの記憶:一人で一本道を歩く幼い記憶

私の記憶の中で、最も古い鮮明な風景。
それは、どこまでも真っ直ぐに続く一本道を、幼い私が一人で歩いている光景です。

周りには草木が生い茂り、どこまでも続く道の先に何があるのか、
幼い私には分かりませんでした。
それは、過去に見た夢だったのかもしれません。
ただ、その風景に出会ったとき、
胸の奥がふるえるように温かくなったのを確かに記憶しています。

一本道を一人で歩く少女の後ろ姿

その時感じていたのは、一人で歩くことへの不安ではありませんでした。
むしろ、心の奥底から湧き上がるような懐かしさ。
「ああ、この道を私は知っている」と、
まるで何度も歩いたことがあるかのような、不思議なデジャヴュに包まれていたのです。

それは、幼いながらに深く刻まれた、魂の原風景のような記憶でした。
その道は、私の記憶の中で最も古く、最も深く残っている感覚とつながっています。
長い時を経て、夢の中に何度もあらわれるその風景は、
やがて“過去世の記憶”と重なり、私という魂の旅の入口を
示していたのだと気づくようになりました。

再会

第二章 涙の再会と魂の扉

時が流れ、私はスピリチュアルな世界に導かれるように、あるヒーリング講座に参加しました。そこで出会った一人の女性。
初対面だったにも関わらず、彼女の存在に強く惹かれるものを感じていました。

そして、私たちが初めてペアになり、お互いにヒーリングの練習をする場面でのこと。
突然、彼女は私の手を取り、跪き、はらはらと涙を流し始めたのです。


「何でこんなに涙が出てくるのか分からないけど、嬉しくて…」
と震える声で言う彼女に、私はただただ驚き、言葉を失いました。
その時の彼女の瞳の奥には、深い悲しみと、それを乗り越えたような、
不思議な光が宿っていたのです。

その意味が全く分からなかった私でしたが、心の奥底では、
何か特別な繋がりを感じずにはいられませんでした。

星と薬草の修行者

第3章 魂の記憶とヒプノの過去世:山奥の修行者の人生

数年後、私は過去世療法、ヒプノセラピーを受ける機会を得ました。

そこには、階下を一望できる見晴らしの良い岩場がありました。
そこでひとり、自然と対話しながら暮らす男がいました。

それが私の“かつての姿”でした。

高い山の岩場。神聖な修行の山

村を離れ、山で星を読み、薬草を育て、
孤独の中で静かに魂の修行をしていた日々。
けれど寂しさはなく、すべてが調和の中にあるような、深い満たされ感がそこにありました。

年老いた彼(私)は、あるときふもとの村へと降りていきます。
子どもたちや村の人々に星の話や薬草の使い方を教え、
彼は尊敬と親しみをもって迎えられていました。

そして──
村の広場で人々が輪になって集っていたとき、
その中にひと組の母子がいました。
赤ちゃんを抱いた若い母親。

貧しい村で赤ちゃんを抱く母親


その女性の瞳を見た瞬間、私の中に言葉にならない感情が溢れ出し、
嗚咽がこみ上げるほどの歓喜が押し寄せてきたのです。

「知っている。懐かしい。この人を、私はずっと……」

ヒプノで見た母の姿。赤ちゃんを抱き、大切に大切にその命を守るまなざし。
その人の面影と、かつてヒーリングの講座で私の手を握り
涙を流した彼女の姿が重なったのです。

魂の記憶が、再会を告げていました。
それは偶然という名の必然。
かつて交わした約束が、静かに今この人生で息を吹き返した瞬間でした。

赤ちゃん訪問という巡り合わせ

第四章 魂の決意と新たな選択

魂の記憶に触れた後、私は助産師として、
数えきれないほどの新しい命の誕生に立ち会ってきました。
小さな命が懸命にこの世界に生を受けようとする姿、
そしてその傍らで愛情深く支える母親の姿は、まさに奇跡の連続でした。

しかし、命の現場は喜びと感動に満ちている一方で、
常に途切れることのない緊張感と責任が伴います。
いつしか私の心身は疲弊し、神経は擦り減っていました。

そんな中、私は助産師の仕事を一旦休むという決断をしました。
そして、インナーチャイルドカードの講師として、人が内なる声に耳を傾け、
自分自身を癒し、導くための時間を共に過ごすことに喜びを感じていました。

しかし、心の奥底では、拭いきれない葛藤がありました。
そんな時、夢の中で繰り返し、まるで魂そのものから語りかけられるような
メッセージを受け取るようになったのです。

「母と子の仕事に戻りなさい」と。
「それも、行政の中で、より多くの母と子に関わる道へ進みなさい」と。

夢は真我からの声。
魂が決めた約束を、静かに知らせていたのです。
現実の私が進んでいる道と、魂が本当に求めているテーマとのズレを、
私はもはや無視することができませんでした。

そして、私は一世一代の決心をしたのです。
これまで、どこか敬遠していた行政の門を叩きました。

その先に開いた世界

第5章 今、赤ちゃん訪問で出会っている“母と子”こそが…

そして今──
私が日々訪れているのは、「赤ちゃんを抱く母」のもと。

生まれたばかりの赤ちゃんを抱き、不安と希望に満ちた眼差しで見つめる母親たち。
その姿は、まさにヒプノセラピーで見た、あの「赤ちゃんを抱いた母」そのものなのです。
毎日、私はあの時、魂が深く共鳴した光景の中に身を置いています。

赤ちゃんを抱く笑顔のママ

あの時、過去世で見た母子の姿は、単なる過去の出来事ではなく
“未来の約束”でもあったのだと気づかされました。

魂の道は、遠回りのように見えて、すべてが繋がっていたのです。
遥かなる魂の記憶に導かれ、私は今、この場所で、
再び「母と子」の輝かしい物語に寄り添い、共に歩んでいます。

魂の物語の次なる章へ

「いのちの和」を開いた理由

こうして振り返ってみると、私が歩んできた道のすべてが、
ひとつの深い流れでつながっていたことに気づきます。

幼い頃に見た、一本道を一人で歩く静かな夢。
山奥で孤高に修行する過去世の記憶。
そこで出会った“赤ちゃんを抱く母”と、現実の中で涙を流した女性。
命の現場に身を置き、助産師として母子に寄り添った時間。
そして、夢に導かれ、もう一度「母と子」のそばへ戻る選択。

この全ての出来事は、バラバラのようでいて、ひとつの魂の意図に導かれていました。

それは、「いのちをつなぐ」というテーマ。

命は、ただ生まれるものではなく、
喜びや悲しみ、喪失や再会、光と影を抱きながら、
絶え間なくめぐり、織りなされていく――。

私はその織りなす“いのち”の流れの中に身を置きながら、
今度は個人としてではなく、より多くの人とその“和”を共有したいと思うようになりました。

助け合う手

だからこそ「いのちの和」という場を開いたのです。

「ようこそ赤ちゃん」と迎える命も、
「お帰りなさい」と祈りを込めて見送る命も、
癒しの旅を通じて再び自分自身に還る道も――
すべてが、“いのち”という大きな円環の中で結ばれています。

そしてここで――
「いのちの和」でご縁が結ばれ、めぐり逢う奇跡は、
まさにそれぞれの魂が時を越えて紡いできた物語の続きを映し出すもの。

「いのちの和」は、私の魂の物語の続きであり、
訪れてくださる方々の、かけがえのない物語の一部となることを願っています。

鈴蘭を背景に歩く少女
ABOUT ME
さくら
さくら
助産師/セラピスト
助産師として、いのちの声と心のさざめきに耳をすませてきました。
流産・死産を経験された方へのグリーフケア、 赤ちゃんを迎える心の準備、
幼い日の自分をそっと抱きしめる癒しの旅

「ここにいるよ」と、やさしい記憶と未来を結ぶ場所で、 光の糸を手繰り寄せています。
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